傷病―診察・入院・手術・通院―克服記(4)大腸癌



平成16年6月13日朝、自宅トイレで3回に渡り下血

がありました。



大学病院救急救命センターへ駆け込み診察を受けました

ところ、消化器内科へ緊急入院となり、保存的治療がほ

どこされ、取りあえず下血は治まりました。



翌日からは検査続きとなり、大腸拡大内視鏡検査の結果

横行結腸に癌が発見されました。



横行結腸癌は臨床病期が粘膜下層に止まるⅠ期と診断さ

れ、早期発見から内視鏡手術を検討しましたが、より根

治的手術を行う上から、消化器外科での腹腔鏡手術に決

まりました。



大腸癌を調べたところ、大腸は盲腸からS状結腸までの

結腸と肛門につながる直腸に分けられ、長さは1,5~

2メートルあります。



日本人の場合S状結腸と直腸にできる癌が、約7割を占

めています。



大腸癌の初期症状は便に血液が混ったり・便の表面に血

液や粘膜が付着するというようなことが多いほか、便秘

下痢・腹痛などがありますが、初期にはむしろ無症状の

ことが多いようです。



大腸癌は高齢化や食習慣の欧米化により増加傾向にあり

癌による死亡原因では女性で1位・男性で3位です。



大腸癌は大腸内壁側の粘膜で発生し、徐々に大腸壁に侵

入進行するにつれリンパ節や肝臓肺などへ転移します。



癌は粘膜に止まる0期と粘膜下層に止まるⅠ期なら、完

全切除できれば内視鏡手術が標準治療です。



内視鏡手術は、腫瘍の下に生理食塩水を注入し腫瘍を浮

き上がらせ、ワイヤをかけ高周波電流で焼き切る内視鏡

的粘膜切除術と、腫瘍の周囲と下部にナイフを入れ剥が

し取る内視鏡的粘膜下層剥離術の2つがあります。



癌が粘膜下層を超えて腸内壁に食い込むなどして内視鏡

治療では対応できない場合は、外科的手術の開腹手術と

腹腔鏡手術の対象となり、最近は腹腔鏡手術が主です。



腹腔鏡手術は、腹部に数カ所穴を開けカメラ・電気メス

かんしを挿入し、医師がモニター画面で操作します。



腹腔鏡手術は手術後の回復が早いことから、患者にとっ

ては望ましい手術といえます。



消化器外科での腹腔鏡手術に決まって以降、消化器外科

病棟に空きベットが出なかったことから、消化器外科病

棟の空きベット待ちで6月26日に一旦退院して、自宅

待機することになりました。



入院検査費用は、入院料・手術料・検査料・画像診断料

投薬・注射料等で医療保険適用して約36万円でした。



後日高額療養費に対する自己負担月額限度額を超えた金

額が区役所国保給付係から還付され、実質負担額は支払

入院診療費の約70%で済みました。



消化器外科への入院が、平成16年7月13日に決まり

手術が7月15日に決定しました。



入院早々手術前準備で、禁食・点滴・浣腸・剃毛・入浴

が行われました。



腹腔鏡併用横行結腸癌切除術という手術が、胸椎に局部

麻酔をされ、腹部以下を麻痺させてから行われました。



精神安定剤を投与されてもうろうとした精神状態の中で

手術現場の様子がぼんやりと伝わってきました。



手術中に交わす医師や看護師たちの会話は意味は不明で

腹腔鏡画像は目にすることができませんでした。



癌の他臓器・リンパ節・腹膜・血液への転移は見当たら

ず、手術は無事終了しました。



病室に戻され、手術後の縫合不全・創感染・腸閉塞・術

後出血・排便障害神経麻痺などの手術合併症、が起きた

場合に備えた看護体制の下で、一夜を過ごしました。



手術後4日目には食餌摂取となり合併症も起きず経過は

順調でした。

8月3日には退院となりました。



医師からは癌の再発を考慮して術後5~6年は定期的に

外来診察及び検査を受けることを進められ、それを受け

入れました。



大腸癌を調べてみましたところ、1970年代から大腸

癌は国内で急激に増え始め現在も増加傾向にあります。



2011年のデータによれば新たな罹患数で、大腸癌に

かかる割合は男性は4位・女性は2位です。



2015年の予測値では大腸癌は罹患数で1位・死亡者

数で2位です。その後も増加傾向にあり、50代から急

に増え始めております。

高齢になるほど罹患率が高くなる傾向にあります。



大腸癌は初期段階では自覚症状がなく、下痢や便秘を繰

り返したり、血便が多く見られたり、腹痛などの症状が

出た場合には臨床病期Ⅱ以上の進行癌が予想されます。



他の癌に比べて大腸癌は比較的早期発見が可能です。

早期に発見されれば手術療法によって95%以上完治で

きる可能性が高いのです。



人間ドックなどでの便潜血検査では早期癌なら約50%

進行癌なら90%の確率で大腸癌を発見できます、積極

的に検診が望まれます。




今回の、入院検査費用は、入院料・手術料・麻酔料・検

査料・包括評価料・食事療養費等で医療保険適用して約

40万円でした。



後日、高額療養費に対する自己負担月額限度額を超えた

金額が区役所国保給付係から還付され、実質負担額は支

払入院診療費の約18%の負担で済みました。



その後、半年おきに経過観察のための診察と、年1回の

大腸内視鏡検査を受けに通院しております。



世界的に高い水準にある日本の医療環境にあって、この

世に生を受け命はてるまで生きて行くには、前進するの

みの途中で身体をそこね、身にしみて気付いたことは健

康の有り難さでした。