傷病―診察・入院・手術・通院―克服記(8)前立腺肥大症


平成22年10月、排尿時に何の前ぶれもなく突然血尿

がわずかですが出ました。



平成16年に大腸癌を手術した経緯があることから、前

立腺癌の疑いが胸をよぎりました。



前立腺について調べたところ、男性の生殖器のひとつで

約15gのクルミ大、膀胱の下方・直腸の前方に位置し

尿道の周りを取り囲んでいます。



前立腺肥大症と前立腺癌が主な病気です。



前立腺肥大症では、中を貫いている尿道が圧迫され狭く

なることで、排尿が出にくく・回数が多くなるなどの症

状が現れます。



前立腺癌は早期では自覚症状がないため発見が遅れるこ

とが多く、泌尿器科外来で発見される前立腺癌の約40

%は、すでに他の臓器に転移している状態といわれてい

ます。



欧米では、前立腺癌は非常に多くの社会問題になってお

り、早期発見のための検診が盛んに行われ、死亡率減少

効果に現れているのです。



日本においては、高齢化・食生活の欧米化の影響もあっ

て、前立腺癌患者は今後急激に増加すると予測されてお

ります。



1995年と比べ2015年の前立腺癌死亡数の予測値

比は、2.93倍とすべての癌の中で最も高いとされて

います。



前立腺癌を自覚症状のない早期に発見する方法は、PS

A検診(1mlの血液検査)が最も精度の高い検査です。



PSA検診受診者の約90%はPSA値が基準値以下に

なりますが、PSA値が1.0ng/ml未満なら3年毎
に1.0ng/ml以上であれば毎年検診が望まれます。


PSA値が異常になった場合には、指定された泌尿器科

の専門医のいる二次検診病院・医院を必ず受診されて、

PSAの再検査・直腸診・経直腸的超音波検査等の検査

を実施し、前立腺癌が疑われる場合には前立腺生検が必

要になります。



前立腺生検は前立腺組織を調べる検査でPSA値が異常

であっても10ng/ml以下であれば早期癌が発見さ

れる確率は20~30%程度・10~20ng/mlで

は30~40%程度です。



早期発見できれば高い確率で完治します。



治療には次があります。

①ホルモン療法―前立腺は男性ホルモンに依存して大き

 くなる性質から、薬物療法・両側の精巣摘除により男

 性ホルモンを低下させる。

②手術療法―前立腺を周囲の組織とともに摘除。

③放射線療法―前立腺に放射線を照射する局所療法。



大学病院泌尿器科外来を訪ね、検査した結果は、前立腺

肥大症と診断されました。



前立腺肥大症は前立腺の腫瘍の一種ともいえますが、前

立腺癌より尿道に近い方の組織がこぶのように大きくな

り、周囲の組織を少しづつ押しのけるように大きくなり

ます。



前立腺肥大症のこぶは、中高年のほとんどすべての男性

に見られ、いわば男性の宿命ですので、それ自体は病気

とはいえません。



前立腺肥大が排尿障害として、排尿が出にくい・回数が

多くなった・排尿後スッキリしないなどの症状を起こし

たときに、前立腺肥大症と呼ばれるのです。



その後、尿検査と投薬を受けけるために、3ヵ月毎に通

院しています。



前立腺肥大前に比べ、排尿は細く・弱く・少量に・回数

多くなりました。



世界的に高い水準にある日本の医療環境にあって、この

世に生を受け命はてるまで生きて行くには、前進するの

みの途中に身体をそこねて、身にしみて気付いたことは

健康の有り難さでした。

この記事へのコメント